その豆まき、本当に正しい？子どもに教える、日本行事学

節分って？

日本には春夏秋冬の四季がありますが、それぞれの季節が始まる日を「立春」「立夏」「立秋」「立冬」といいます。そして、これらの節目となる前日を「節分」と呼んでいます。しかし旧暦では、「立春」が年の始まりにあたることから（現在でいう元旦）、いつのまにか「立春」の前日だけを「節分」と呼ぶようになり、より良い１年を過ごせるように願う行事の日となっていったようです。

なぜ豆をまくの？

季節の変わり目には邪気が入りやすいと考えられているため、新しい年を迎える前の節分に邪気を払って福を呼び込むために、豆まきを行います。では、なぜ「豆」を蒔くのでしょうか？いろんな説があるようなのですが、日本では昔から穀物や果実には「邪気を払う霊力」があると考えられていたことから、豆を蒔くことで豆の霊力により邪気を払っていたというのが定説のようです。また、魔を滅するという『魔滅（まめ）』＝「豆（まめ）」であることから、豆をまくことで鬼を追い払う（魔を滅する）という風に言われています。

豆の正しい巻き方は？

地域やご家庭によって様々な豆まきの方法がありますが、今回は典型的な豆まきの仕方をご紹介します。

【１】福豆を準備します

福豆とは、炒った大豆のことを指します。豆を炒り、豆まきをする夜まで枡、または三方（神様にお供えものをする器）に入れて神棚に供えておきます。生の豆を使った場合、拾い忘れた豆から芽が出てしまって縁起がよくないとされています。

【２】豆まきは夜に行います

鬼は真夜中にやってくると言われていますので、豆まきは夜に行います。必ず家族全員揃ってから行いましょう。

【３】一家の家長が豆まきをします

豆まきは、その家の厄払いですので、本来は家長の役目です。しかし、年男、年女、厄年の人が豆まきをする場合もあります。ただ、家族のイベントですのでみんなで一緒に行うのがおすすめです。

【４】「鬼は外！福は内！」と豆を撒きます

家の奥の部屋から順に「鬼は外」と言いながら窓などから外に向かって豆を撒きます。そして、鬼が戻ってこないようにすぐ戸や窓を閉めてから「福は内」と言って部屋に豆を撒いていきます。胸の辺りで枡を持ち、そこから撒くようにイメージすると良いでしょう。最後は玄関まで撒きましょう。（蒔く回数は、地域によって異なるようです）