私たちは高温や多湿といった過酷な状況に置かれると、体温を一定に保とうとしていつも以上にエネルギーを消費します。その結果、体にはかなりの負担がかかることになります。この状態が長く続いたり、負担が大きすぎるとその暑さに対応することができなくなり、体に溜まった熱を放出できずに熱が出たり、倦怠感が残ったりして胃腸の働きが弱くなります。これが「夏バテ」とよばれる症状、原因は大きく分けて3つ考えられます。
私たちは暑いところでは汗をかいて体温の調節をします。
しかし「冷房の効いた部屋」と「暑い屋外」とを日に何度も出入りすると、体が温度差についていけず、だんだんと切り替えができなくなってしまいます。この自律神経の乱れが続くと、結果としてめまいや食欲不振、頭痛など、夏バテの辛い症状の原因となります。
体温調節の要となるのが「汗」です。汗をかくためには「水分」が必要となります。
体の中で水分不足が起きると頭痛やむくみ、ひどい時には下痢や嘔吐などの症状が出る場合があります。(※水分補給の際には水分の種類や飲むタイミングなどが重要なポイントとなります)。
夏のように気温が高い状況に置かれると、体の中まで温度が高くなり、胃腸への血流が少なくなります。また、汗をかくとミネラルの一種であるナトリウム(塩分)も失われ、胃酸も減っていきます。この状態で冷たいジュースやお酒などをがぶ飲みすると、胃腸の不調の原因となります。それだけでなく、胃腸の温度が下がり、消化酵素の働きも低下します。さらに自律神経の失調によっても胃腸の働きが低下するため、この負のスパイラルに陥ると夏バテを長引かせてしまいます。
水分補給といっても、何を飲んでも良いというわけではありません。
アルコールは体内の水分を奪ってしまう「脱水作用」があるのでNG。コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインが多く含まれているものは「利尿作用」が強く、水分を体の外に出そうとする為、水分補給にはあまり適してはいません。
水分補給のために適しているのはノンカフェイン、ノンアルコールの飲み物です。ミネラルウォーターや麦茶などは、汗と一緒に失われがちなミネラルも補給できますので、毎日の生活での水分補給にはオススメです。また、一度に大量に飲むとかえって吸収されにくくなることがあります。
1度に飲む量はひとくち~200ml程度にして、回数をこまめに補給してください。